ザイアンス効果(単純接触効果)について
「最初はなんとも思っていなかったのに、一緒に過ごす内に相手のことが気になるようになっていた」、嫌い合う主人公とヒロインが同じ時間を過ごしていくうちにやがて付き合ってしまう。
漫画やドラマでよくある光景です。しかしこの現象はフィクションだけに留まりません。あなたももしかしたら身に覚えがあるのではないでしょうか。
心理学においてこの現象は「ザイアンス効果(単純接触効果)」で説明できます。
ーザイアンス効果とは
「対象を認識する機会が多ければ多いほど、対象に対して親しみを抱きやすくなる」という法則です。
ポーランド出身の心理学者ロバート・ザイアンスによって広く知られるようになりました。
ーどうして?
見通しの利かない暗闇は怖いし、初めて見たものにはできれば触りたくないですよね。
私たちの脳は身近な既知のものには親近感を抱き、縁遠い未知のものには強い抵抗感を示します。
これは暗闇の先にある危険の可能性、未知のものを触ることによるケガなどの危険性を回避するためです。
これは自然界の動物の本能としては当然のことで、安全で生き残れる可能性が高めるためでしょう。人間の脳が未知のものを嫌うのは、危険を回避するため私たちのDNAに刻まれた本能とも言えるのですね。
しかし、対象を繰り返し認識することで、私たちの脳はそれを身近なもの、危険性のないものであると判断してしまいます。すると脳はさらに錯覚を起こし、まるで対象に親近感を抱くことになります。
ーコミュニケーションへの応用
言うまでもなく、対面での会話は新たな人間関係を築く上で必須です。
しかしこれを苦手とする人は少なくないでしょう。もしかしたらあなたも苦手意識を持つ一人かもしれません。特に会話の相手が気になる異性だとすれば…。
さて、ザイアンス効果によって相手に親しみを持ってもらうには「毎日、相手に会う」ことです。もちろん加えて会話ができるならさらにグッドですが、挨拶する程度でも十分に親近感を持たせることができるでしょう。
また、ザイアンス効果が活躍するのは、直接会う場合に限りません。SNSやLINEを通してのやりとりであっても効果的なのです。
ただし、過度なアプローチは相手に親近感を与える前に嫌悪感を与えてしまいますので、注意が必要です。
ー習慣化への応用
「今日から英語を勉強するぞ!」
その決意から早数ヶ月が経ったことでしょう。基本的に新しい習慣づくりは今までの生活とかけ離れるほど難しくなります。
脳が知らないものだからです。これもザイアンス効果の応用でハードルをグッと下げることができます。
例えば英語の勉強をしたいとすれば、まずは日常で英語圏の文化にに触れる機会を増やしてみます。洋楽を聴いたりや海外ドラマを観たり、スキマ時間にハリウッドセレブのインスタグラムを見るなんてのもいいですね。
まずは、楽しく英語に触れて自分の脳に、英語への親近感を持たせましょう。「好きこそものの上手なれ」ですよね。
ー終わりに
いかがでしたでしょうか。ザイアンス効果は単純な効果ですが、様々な応用可能性があります。日常生活に手軽に使えるのでぜひお試しください。
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