チアリーダー効果について
皆さんは、集団(チアリーダーやアイドルグループなど)の中にいる個人に不思議と魅力を感じたことはありませんか?
あるいは個人でいるとそんなに目立たなくて、魅了されないのに、グループの中にいるときに急に魅力的になったと感じたことはありませんか?
こう言った集団内の個人の魅力度を上げる心理効果を“チアリーダー効果”と言います。
この“チアリーダー効果”によって私たちは様々な状況で他者の評価を潜在意識化で上げたり、あるいは知らないうちに他人から魅力的な人だと見られているかもしれませんね。
では、この“チアリーダー効果”とは一体どんな心理効果なのかを詳しくみてみましょう。
― “チアリーダー効果”とは
“チアリーダー効果”のまたの名を“集団魅力度効果”とも言います。
個人が集団の中にいるときに独立しているよりも魅力的に感じてしまう認知的バイアスのことを指します。
この研究は2013年にウォーカーとヴァルにより、また2015年にオスク, 他によって提唱されました。
― “チアリーダー効果”の由来
2011年に放映されたテレビシリーズ`ママと恋に落ちるまで`の1エピソード“赤ちゃんパニック”のワンシーンに由来しているとされています。
登場人物のバーニースティンソンは、グループの女性たち全員が最初はとても魅力的に見えると言い、その後、その女性たち一人一人を見ていったところとても不細工に見えたと言いました。
ブラックユーモアで笑いをとった半面に、おそらく心理学者たちに集団が魅力度を増すのかの研究のヒントになったのではないでしょうか?
― ウォーカーとヴァルの2013年実験
ウォーカーとヴァルは2013年委施行された実験にて以下のような要点をまとめました。
• 人間の視覚システムがグループの人たちの顔が組み合わされた象徴的な顔を映し出す。
• 個人的な知覚はこの平均的な顔に固定化される。
• 魅力的ではない変わったものの集団の平均化によって、集団の平均値は上がり、より魅力的に見える。
これらの3つの要素が組み合わさることで、グループの中の個人は平均的に魅力的に見えるのだそうです。
― オスクの2015年実験
一方で、オスクと他の科学者は以下のような要点を挙げました。
• グループの中でも魅力的なメンバーに選択的に注意が偏る。
• 類似性に依るゲシュタルト心理(一部ではなく全体を見る)。
この実験では、科学者たちはより魅力のある人への選択的注意により、グループ全体の魅力度が高くなる錯覚によるものである可能性が高いとしました。
しかしながら、この実験は文化的違いが大きいものであるとの批判があり失敗に終わってしまいました。ちなみに、この失敗点をあげた確認実験が執り行われたのが日本です。
― 日常生活への応用可能性
これまで“チアリーダー効果”とは何か、そしてどうして発見されたのかを見たように、この“チアリーダー効果”は日常の多くの場面で活用することが出来そうですよね。
例えば、職場で、プレゼンの話し合いをしているときに偶然その人たち全員が魅力的に感じてしまったり、学校でも部活動で切磋琢磨していたら全員が均等に魅力的に感じてしまいそうですよね。
もちろん、錯覚的に見せられている可能性も無きにしも非ずなので、素直になりすぎてしまうのも気をつけたいものですね。
–まとめ
チアリーダーたち全員が魅力的に見えるのは賛成できますが、それは全員が本当に魅力的だからなのでしょうか?
私たちの脳は見たものや感じたものを素早くできる限り簡潔に私たちに知らせようとしますが、そんな脳の支配に認識する能力を鍛えることも心理的効果に騙されない方法かもしれませんね。
執筆日2019年7月28日 執筆者Yoshi
8月30日編集・校閲
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