[発達心理学]生後3才までの脳の発達 認知発達と発達心理学 No.3

生後3才までの脳の発達 認知発達と発達心理学 No.3
―社会文脈的アプローチ―

 幼児にとって、親などの保護者から学ぶことは非常に多く、影響がある。とりわけ、言語やジェスチャーは観察することにより学習をしていく。日々の生活、活動の中で大人との交流が学習を促進させる。子どもから大人になる段階の知識を深めていく。また、ここには文化的な違いが存在しているという研究結果も出ている。例えば、アメリカの子どもたちはより遊ぶことに従事し、グアテマラの子どもたちはより仕事、手伝いに従事するという。それは、社会文化的に必要とされる要件を自然に幼少時代から触れ、親しみ、大人になる準備をするためとされる。

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― 言語発達
・言語:語、文法、認知発達により構成されるコミュニケーションシステム。
・リテラシー:読み書き能力。

― 幼少期の声音
・泣く:赤ん坊の主な言語声音。
・優しいささやき声:“あーーー” という母音を繰り返す。生後6-8週間後から始まる。
・喃語(なんご):“ばばば” “ままま” などの子音を繰り返す。生後6-10か月で始まる。

― 言語の認識能力
言語能力に先立って発達する。生後6か月までには母国語の基本的な音を認識できるようになる。

― ジェスチャー
言語発達の過程において、ジェスチャーを使用することで、言語発達を助長する。
・社会習慣的ジェスチャー:バイバイと手を振る。頭を縦に振って“うん”を意味する。
・具象的ジェスチャー:大人の前で腕を挙げて“抱っこして”を意味する。
・象徴的ジェスチャー:手で顔を仰ぐと“熱い”を意味する。

― 初めての言葉
・言語学的会話:意味を伝える口頭表現。生後10-14か月で始まる。
・一語分/ホロフレーズ:単純な一音節のみで完全な意味を伝えようする。例えば、“パ”は“パパはどこ?”を意味するなど。
・語の急成長:生後16-24か月、とりわけ平均生後18か月で、話し言葉の語彙が急激に増加していく。英語では、Naming Explosion (直訳:命名爆発)という。

― 初めての文章
・電報的発話:2,3語のみで一つのアイデアを表現する。例えば、“これ買う”と犬のおもちゃを見せながら言ったら、“これを愛犬のために買いたい”という意味になる。
また、短文が話せるようになってから、構文や、語法の理解、使用能力が強化していく。

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― 初期の会話の特徴
初期の会話では、文法に対する理解が深まるにつれてその活用力も増加していく。また、おる語の意味を一般化したり、極小化することが多々ある。例えば、“犬”と言えば、自分の飼っている犬のみを意味し、また髪の白いご老人をみると全員おじいちゃんだと認識する。また文法を一般化したりすることも多い。例えば、過去の意味を表す “た” を “行きますた” の様に混合して使う。

― 言語獲得の理論と議論
自然か環境か?言語獲得は生まれもって備わっているものなのか、或いは生育過程を経て環境要因によって獲得されるのか、議論がなされている。
・行動主義的な見解では、言語学習の強化・補強を真似することで獲得されるとされる。
・チョムスキーの生得説:脳は先天的に言語を学ぶ能力を備えていると説いた。これを、言語獲得装置 (Language Acquisition Device) と呼ぶ。
・先天性能力と行動主義の原理の統合がもっとも有力とされる。

― 初期言語能力発達への影響要因
主に、脳の成長、発達に伴い言語の発達も促される。脳が成熟するほど、扱える表現力や複雑な文法を脳内処理、使用をすることができる。また、脳の成長だけではなく、親やその他、保護者との社会的交流により言語的表現の幅、量や質が向上する。このように、認知的、身体的成長が言語獲得と発達に貢献し、影響することは非常に大きい。

― 社会的活動としての言語
・前言語期:大人が幼児の使う言葉を繰り返すことで、言語能力を助長する。
・語彙力強化:幼児との日々の遊びの中で様々な表現を多用し活用を促す。例えば、キャッチボールをしながら、“これはボールだよ”と言いながらボールを渡す。

― バイリンガリズム
・コードスイッチング:二つの言語を対話者に応じて切り替えること。
・コードミクシング:二言語以上話すとき、それぞれの言語が混ざってしまい、言語を混合して話す。

― 子ども向けの会話
・親語:または赤ちゃん言葉と言われる。子どもの年齢、言語レベルに合わせて親が子どもに対して話し方を変えること。
・単純化:子どもの言語理解能力に順応させて、簡単で短い言葉や文章で話すこと。
・母音の誇張化:言葉をはっきりゆっくり発音すること。
これら子ども向け会話をすることにより、母国語の修得が促進する。また、幼児への外国語学習への応用として使われる。

― 大人による読み聞かせの種類
・説明話者:物語の中のイベントを詳しく説明してあげる。また、子どもにも、物語を説明する機会を与える。
・理解話者:子どもに、物語の深い意味を理解するように励まし、勧める。例えば、“この子猫さんは今どういう気持ちかな?”など。
・志向性話者:物語のテーマを伝え、読み終わった後にその内容について質問する。
これらの読み聞かせの方法をとることにより、子どもの主体的なリテラシーを育む。自分で考える能力が高まる。
・対話形式の読み聞かせ:交互に音読したり、物語を共有する。子どもに読み手を経験させてあげる。大人は主体的に聴くようにする。大人は、オープン・エンドクエスチョンをする。例えば、“どうしてうさぎさんは怖がったと思う?”などである。

このように、幼児の言語学習能力や読み書き能力は、日々の生活の中で基盤が作られ、大人との関係の中でより高度な言語利用が可能になっていく。こういう訳で、親の言語活用能力が非常に大きく子どもの言語活用能力に影響しているのである。子どもは、常に社会の中で、大人になるための準備をしているのである。

執筆日2019年6月12日 執筆者Yoshi
6月26日編集・校閲

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