[発達心理学]生後3才までの脳の発達 認知発達と発達心理学 No.1

生後3才までの脳の発達 認知発達と発達心理学 No.1
―行動主義アプローチと情報処理アプローチ―

新生児から幼児期の1歳から3歳までの子どもの成長はとりわけ大きく早いと言われている。それは、身体的な成長だけではなく、認知的な成長、つまり脳の成長も顕著であるのである。ここでは大まかにどのような認知発達を幼児が経ていくのかをたどる。

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行動主義アプローチ

 幼児の認知発達における行動主義は、幼児は生まれながらにして学習する能力を備え付けているという説である。
 ここでは有名なパブロフの古典的条件付けと、スキナーのオペラント条件付けに大分されている。

― 古典的条件付け:新しい刺激が、反射的行動を促す刺激とリンクすることで、学習がなされる。
 例えば、赤ちゃんの口元にミルクを近づけると、口をもぐもぐさせる。この時、授乳者がミルクを赤ちゃんの口元に近づけながら歌を歌い、それを継続していくことで、赤ちゃんは歌を聴くだけで口をもぐもぐ動かすようになる。

― オペラント条件付け:ある行動が再び起こるだろうという可能性により発信される刺激によっておこる自発的な行動。
 例えが、赤ちゃんの口元に甘い飲み物を近づけると舐める回数が次第に増えていく。
 このオペラント条件付けがみられるのが、赤ちゃんの“真似る”行動である。これは、自発的な学習であり、保護者(母親、父親)、周りの人の行動や表情を真似して覚えていく行動に繋がっている。また、生後6週間の赤ちゃんの場合、見て覚えた表情などはその状況記憶から24時間の遅れがあった後に、自身の行動、あるいは表情として現れる。

赤ちゃんの真似の種類

・目に見えない真似 (Invisible):赤ちゃんからは見えない部分の自身の体の一部で真似る。例)口

・目に見える真似 (Visible):赤ちゃんから見える部分の自身の体の一部で真似る。例)手足

・延期された真似 (Deferred):保護者などの行動や表情を観察してからある程度の期間が経ってから真似に現れる。

・引き出られた真似 (Elicited):言葉の説明のみで伝えられた真似。

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幼児期の記憶

・幼児期記憶健忘 (Infant Amnesia) 
多くの人は生後3歳までの自身の幼児期の記憶を覚えていない。

では、乳幼児自身はいったい何を覚えていることができるのだろうか?
乳幼児たちは数日か、数週間前に遊んだ、動くもの(例えが、メリーなど)のを記憶することができる。
また、歩き始める前の幼児と、歩き始めた頃の幼児はおもちゃの電車や、そのほかの動くものの記憶をすることができる。

情報処理アプローチ

3歳までの乳幼児から幼児は視覚を通し情報を収集し、その情報を処理する能力が備わっているという説。

― 順化 (慣れ)
ある脳へ伝わる刺激が繰り返し執り行われ、馴染んでくることにより、学習されること。
例えば、乳幼児が最初は音のなるおもちゃに興味を示していたが、慣れにより、次第に関心が薄れていき、おもちゃの音を鳴らして見せても、興味を示さなくなる。

― 脱順化 (慣れの解除)
ある一つの事柄に対し学習がなされ、順化した際に、新しい刺激が加わることで学習されていた慣れが解除されること。
例えば、一つの音のなるおもちゃに順化した乳幼児に、違う音のするおもちゃを見せて、与えてみると、その乳幼児は音のなるおもちゃはいろいろな種類があると新しく学習する。

― 視覚の好み
・目新しさ (Novelty Preference)
3歳までの幼児はしばしば、新しく見るものにより注意を払う。これは、新しいものから古いものを識別し、或いは、視覚認識記憶を体現している能力である。
また、視覚認識記憶とは、見慣れたものと、見慣れないものを識別する視覚能力のことである。

― クロスモーダルトランスファー (Cross-Modal Transfer)
クロスモーダルトランスファーとは、人間に備わっている感覚(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)の1つか2つを用いて、他の感覚も同時に働かせて活用することである。
例えば、暗い部屋で目的の場所まで行くときに、視覚が十分に使えない際に、聴覚、触覚、或いは嗅覚を使って目的の場所まで行くのがこの一例である。

このように新生児から幼児は新しいことを見て、聞いて、触って、感じて、そして真似して学習をしていく。大人が日常的に行っている行動は、幼児期より少しずつ学習されて経験が積まれていくにより、スムーズに行われているのである。もしあなたの周りに新生児や幼児がいるならば、ぜひよく見てみてほしい。赤ちゃんの成長は極めて早いのである。

次回は、幼児の視覚、言語発達についてより詳細に言及していく。

執筆日2019年6月10日 執筆者Yoshi
6月15日編集・校閲

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