[発達心理学]生後三歳までの心理社会的発達 No.2

発達心理学と新生児 生後三歳までの心理社会的発達 No.2
―幼児の気性と要因―

 わたしたちはそれぞれ異なる気性を持っているが、それは大人になって目覚めるものではない。幼少時に基盤ができ、それが生育過程の環境により変化してゆくのである。よく耳にするであろう“小さいときは○○だったのに、今ではあんなに○○になって”というのはこういった理由であろう。生育環境はとりわけ保護者や子どもを取り巻く社会にいる大人により影響されることが多いであろう。また、幼児の持つ気性はどのように生得されるのか、また影響され、影響を与えていくのか。

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― 生後10か月の幼児に近づくには?

・人見知り (Stranger Anxiety):人見知りは幼児にとって非常に大きな要点である。これは、気性、知らない人との過去の経験、場所と状況によって決定される。自然に獲得された内向的な気性である場合を除き、幼児が面識のない大人に対しお母さんの元から渡されたときに感じた不安等の経験や、その幼児にとって不安を煽る、見慣れない場所や状況を起因とする。
・心の安全基地 (Secure Base):幼児にとって心から安心する場所。例えば、母親の腕の中など。
・社会的参照 (Social Referencing):幼児にとって不確かな状況下において、信頼できる人から感情的情報を探す。見慣れない場所など、不安を助長させる状況で心のつながりや、安心感を得ようとする。

― 気性と見方

・生物学的反応性の傾向:生物学的に備えついている、生まれつきの個の性分。
・極めて遺伝性的かつ安定的:遺伝により決定することが強い。また、その引継ぎは非常に安定している。
・円熟性:状況に応じてどれだけその気性が円熟していくかが問題である。
・感情的反応の質と密度:ある事象に対する感情的反応がどれだけ強いか、あるいは弱いか。また、どれだけ濃密に反応が現れるか。
・活動レベル:どれだけの尺度で感情、言動が活動するか。
・注意:気性に対してどれほど注意が向けられているか。
・新しい状況への順応力:ある気性にとって、新しい環境や状況にどれだけ対応、適応することが出来るか。
・感情の自己規制:気性によって左右される感情を自分で規制、調整することが出来るか。

― 気性の構成 (Alexander Thomas and Stella Chess 1977)

 ThomasとChessは子どもの性質、タイプ、集団は主に3種類に大分されると信じ、気性の構成を説いた。
・手のかからない子ども (The Easy Child):全体の40%程度が手のかからない子どもの人口であるとされる。素早く一定の習慣を確立する。陽気で、興味深く、容易に新しい環境、状況に順応する。また、非常に友好的である。
・手のかかる子ども (The Difficult Child):全体の10%程度とされる。不規則な習慣をもっていて、新しい体験を受け入れるのに時間がかかり、またその体験に対して激しく否定的に反応する。適応力に関する問題とリスク。頻繁に小うるさく、ぐずついて、泣く傾向がある。
・時間のかかる子ども (The Slow-To-Warm-Up Child):全体の15%ほどを占める。環境要因や環境刺激、否定的なムードに対して、非活動的、穏やかで控えめな反応を示す。ゆっくりと順応していく。
・上記の混合:混合型が全体の35%程度を占める。上記3種類の気性のうち特定の混合的気性特徴を示す。

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― 気性への影響要因

・気性は安定性と幼児の気性を加減するために低調である。また、最も安定していない。
・経験によって修正される可能性がある。(環境因子と矯正)
・遺伝的、環境的影響。遺伝によって自然に受け継がれた気性と、生育過程において変化する気性。このため、民族間、性別によって異なる。
・文化的違いが見受けられる。
・もし、兄弟姉妹の中で、一人手のかからない子どもがいると、他の赤ちゃんはより手のかかる子どもと受け取られてしまう。
・適合度モデル (Goodness-of-fit Model):育児訓練と子どもの気性の間に生まれる効果的な適合性は、好ましい環境、気性順応をもたらす。

 このように、気性は自然継承以外に、どのように幼児が育ってきたか、あるいはどのような幼児だったのかに依り捉え方が変わるのである。自分がどのような気性を持った幼児であったのか興味を持ったら、是非ご両親や自身の幼少期を知っている方に聞いてみてほしい。

執筆日2019年6月16日 執筆者Yoshi
7月2日編集・校閲

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