おとり効果について
皆さんは明らかに不必要な選択肢をみたことはないでしょうか。
たとえば、携帯会社の契約プランです。最安値のプランA、中間のプランB、そしておそらく誰もが持て余してしまう最高値のプランC。誰でも手軽に安くポケットwifiを導入できるようになった昨今において、このプランCは明らかに不必要な選択肢です。そんなこともわからないほど携帯会社は愚かなのでしょうか。
いいえ、実は初めからプランCを売る気などさらさらないのです。彼らが本当に売りたいのは中間のプランBです。実はプランCは私たちの思考をプランBへと誘導する役割を負っています。
プランCがあるおかげで、たとえ最安値のプランAが私たちにとって必要十分であったとしても、私たちはプランBを選びたくなります。この現象をマーケティング用語では「おとり効果」と呼んでいます。
ーおとり効果とは
一見無駄な選択肢である「おとり」によって、私たちが非合理的な判断を下してしまう現象のことです。
ーどうして?
原因として私たちが何かを判断するときは相対的に判断しやすいということが挙げられます。
わかりやすく説明するためにピアノで例えてみましょう。鍵盤が一つ、ランダムに鳴らされたとします。一部の絶対音感をお持ちの方以外はその音の音階を当てることができません。ではもう一度ランダムに鍵盤が鳴らされたとします。このとき、その音が最初の音より高いのか低いのかであればどなたでも容易に当てられるのではないでしょうか。それは基準があるからです。
このように、私たちにとっては相対的に判断する方が簡単である場合が圧倒的に多いのです。おとり効果は一見無駄な選択肢を増やすことで、私たちの相対的判断のための基準が狂ってしまう事により起こります。
ちなみに、おとり効果はできるだけ絶対的な評価を下すことで対処できます。先のピアノの例ではチューナーという周波数を測定できる機械を見ながらであれば、誰でもどんな音でも正確に当てられることと同じです。
ービジネスへの応用
ビジネスへの応用例としては冒頭のような携帯会社のプラン選択や旅行代理店のツアーパック、ファストフード店のメニューにまで実に幅広く使われています。
実際はそこにさらに複雑なオプションや難解なヨコモジ(横文字)を加える事で私たちの思考力を奪い、実に多くの無駄を含んだ「お得」なセットプランに誘導します。心当たりがある方も少なくないでしょう。
ー恋愛への応用
よく合コンで自分より魅力が劣る人を連れてくる人がいますね。これもおとり効果を狙ってのものです。
勝負の場へ行くときに自分より魅力が劣る人と一緒に出かけることで、相対評価の魔法により、単独で乗り込む場合と比べてその人の魅力が半減する代わりに自分の魅力が底上げされるということですね。
また、勝負の場にあなたより魅力的な人が場合は即時撤退をオススメします。あなたの魅力が半減してしまうからです。
ーまとめ
いかがでしたでしょうか。おとり効果を上手に使えば、あなたに優位な結果を出すことができるかもしれません。皆さんも使ってみてくださいね。
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