瞑想によるストレス低減法 今話題のマインドフルネスって?
皆さん、マインドフルネスという名前を耳にしたことはありますか?
テレビや本なんかで取り上げられたのを見たり聞いたりした方もいるかと思います。
もちろん聞いたことない方もいらっしゃるでしょう。
ではこう変えましょう。「瞑想という単語を知っていますか?」 こうして聞いたら大勢の方が知っているかと思います。
マインドフルネスって瞑想なの?と疑問に思われた方、まさにそうです。マインドフルネスとは平たく言ってしまえば心理療法として改良された瞑想なのです。
・ マインドフルネスの成り立ち
マインドフルネスはアメリカのジョン・カバットジンという博士が考案したストレス低減法です。
日本の禅を師事する彼は,痛みや心的なストレスに対し,どのように対応すれば良いかと思案したところ瞑想にたどり着きました。
その後東洋の禅を西洋の医学で効果を実証し,心理療法として形を成したものがマインドフルネスです。
今では脳科学の分野でも語られるマインドフルネスは,某世界的企業にも取り上げられており,世界中で広く用いられています。
・マインドフルネスのキーポイント
じゃあマインドフルネスってどんなことするの?という方に,簡単にマインドフルネスの一部をご紹介いたします。
マインドフルネスの最もオーソドックスなものに呼吸瞑想というものがあります。
呼吸瞑想とは,呼吸にただ意識を向けながら,浮かんでくる思いや周りの音などに意識を向け,そして意識を呼吸に戻すといったエクササイズです。
少し目を閉じ,呼吸に意識を向けながらやってみてください。きっと色んな思いや今日あったことなどに注意が向き,呼吸から注意が逸れたのではないでしょうか。
マインドフルネスでは,この逸れたことに気づくことをキーポイントにあげています。
逸れたことに気が付くこと,つまり呼吸を手掛かりに,頭の中に向いた注意を元に戻す,注意を自在に操るコントロール力を養うことを目的としています。
・抑うつ気分の黒幕「反すう」って?
突然ですが、ふと昔あった嫌なことを思い出して枕に顔をうずめてバタバタしたり、怒られたことなどを繰り返し思い悩み辛くなってしまう経験はありませんか?
この現象を心理学では反すうと呼びます。(本来は牛などが消化のために牧草を食べたり吐いたりを繰り返す習性の名前として使われています。)
気分が沈んでしまって無気力になってしまうことを抑うつ状態と言いますが、繰り返し抑うつ状態になってしまう原因としてこの嫌なことを繰り返し考えてしまう反すうが大きく関わっていると言われています。
人はこの繰り返し襲ってくる反すうに対し「考えないようにする」といった行動をとりがちですが,うまくいかずダメージを受けてしまうケースが後を絶ちません。
どうして考えないようにすることでダメージを受けてしまうのか,この考えないようにするという行動に対し、思考抑制のシロクマ実験と呼ばれる実験がありますので,ここで少しやってみましょう。
では、あなたの頭の中でシロクマを1匹思い浮かべてください。白くてふわふわの大きくて可愛らしいシロクマですよ。よ~く考えてみてください。 あなたの頭にシロクマは出てきましたか?
では次に、あなたの頭の中からシロクマを消してください。考えないようにしてください。絶対考えてはいけませんよ?頑張って考えないようにしてみてください。ほら白くて大きい氷の上に乗ったシロクマなんて考えてはいけませんよ?
いかがでしたか?シロクマはいなくなりましたか?頭の中がシロクマでいっぱいになってしまったりしていませんか?
この実験では考えないようにしようとすることは効果が少なく,逆に多くの人が頭の中がシロクマでいっぱいになってしまったと報告しています。なぜなら「考えないようにしようとシロクマのことを考えている」からです。
特に忘れようとしているモードでは「大きい氷の上に乗った」といったシロクマに関する手がかりに反応しやすい状態となっています。(スタンバイしているわけですから,当然ですよね?)
では考えてみてください。シロクマであったからよかったものの,苦手な上司や考えたくない嫌なことに置き換わったら?
・マインドフルネス体験
では先ほどの頭の中にまたシロクマに登場してもらってください。そして今度は音楽を聴きながらしっかり一文字一文字,歌詞を追ってみてください。
どうですか?先ほどよりシロクマの影,薄くなりませんか?
これはシロクマとは別のことに集中する,つまり注意をコントロールして別のことに集中することで,結果的にシロクマを考えないようにすることに成功しているということになります。
マインドフルネスでは,このように注意を自在にコントロールし,そして集中することで考えたくないことやつらい思いから目をそらす技術を強化することを目標にしています。
まとめ
どうでしたか?マインドフルネスに少し興味を持っていただけたでしょうか。
ここで紹介したことはマインドフルネスのほんの一部ですが,こうして少しずつ注意力をトレーニングすることで,あなたの一日がより快適になり,幸せに過ごすことにつながるでしょう。皆さんもレッツマインドフルネス!
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