[社会心理学]人助けの心理学 なぜ人は助けるのか?

人助けの心理学 なぜ人は助けるのか? 
―向社会的行動と社会心理学―

あなたは今まで誰かを善意で助けたことがあるだろうか?

例えば、電車内でお年寄りに席を譲ったり、道に迷っている人に行き先を教えてあげたり。

あるいは、誰か他の人が助けるだろうと、手助けをしなかった経験はないだろうか?こういった日々の選択にも心理学が隠されている。

これを知れば、あなたは他人からより助けてもらえる人になれるかも?

 向社会的行動を英語で Prosocial Behavior という。もしあなたが利益や見返りを求めないで他人を助けたら、それは社会的に良いとされる模範的な行動、向社会的行動となる。

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 では、なぜ良い行動だと理解していても手助けせず、多くの場合傍観してしまうのか?

ここには傍観者効果 (Bystander Effect) が働いているからである。

傍観者効果とは、ある救援行動を伴う事象において周りに本人以外の傍観者がいる際に率先して行動しないことである。

これは傍観者がいればいるほど効果が強まる。前述したように、電車内でも周りに多くの人がいれば、自分でなくても誰か他の人が助けるだろうと行動への決断力が損なわれてしまう。

 それでは、人はどのような過程を経て人助けの行動に出るのか?

1:状況に気がつく
眠気があったり、考え事をしていたり、何か他のことに集中している場合、向社会的行動に結び付きにくい。

2:正確に緊急事態の状況を理解する
状況が曖昧だと緊急事態だと思わない、なぜならば状況把握が間違っていた場合恥を感じるためである。
適度なアルコール摂取が人助けの行動につながる場合もある。また、人は知っている他者なら助けやすい。

3:人助けをするための責任感を推測する
周りに傍観者が少ない場合、責任感が強くなる。リーダーシップのある人は責任を買いやすい。

4:手助けするために必要な能力を測る
もし手助けをするのに特別なスキルが必要になれば、向社会的行動には移らない。

5:行動するか決断する
否定的な結果を誘発すると考えると決断が遮られる。

 それでは、なぜ人は人助けをするのか?

1:共感と利他主義仮説 (Empathy-Altruism Hypothesis)
共感や感情移入は個人の経験によって強まり、他者の気持ちを想像し、その人になったつもりで考えること。

2:否定感情の緩和 (Negative-State Relief)
人助けをすることで抱いていた否定的感情や体験の記憶が和らぐ。

3:共感への喜び (Empathic Joy)
手助けをした後に現れる肯定的な反応、感謝や笑顔に喜びを感じるため。

4:競争的利他主義 (Competitive Altruism)
人助けをすることで得る、社会的な評判、名声、地位がより頻繁な援助行動を誘発する。

5:血縁選択説 (Kin Selection Theory)
生物が進化の過程で、生存確認を高め繁殖を成功させるため。血縁者を助け遺伝子を継承するため。
ではなぜ非血縁者をも助けるのか? → 互恵的利他主義 (Reciprocal Altruism) 究極的に言えば、人助けによって得られる恩恵が多いため。

6:防衛的援助 (Defensive Helping)
自分の領土や血族を守るために、恩恵の得られそうな他者や他の親しくない集団を助けて、脅威を減らし恩恵を得るため。

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 他人を助ける傾向を増加させる要因とは?

1:なじみのある人や性格・容姿が似ている人
知らない人が自身に類似するところがある場合、共感性が高まり援助行動に発展する。

2:他者の人助けの行動を見る
第三者が困っている人を助けている場面に遭遇し、その状況に晒されることで影響される。

3:向社会的内容を含むビデオゲームをする
仮想設定のゲーム内で向社会的コンテンツを楽しむことで、実際の向社会的行動に結び付きやすくなる。

4:自己集中的な思考を減らす
他者に対する畏敬の念を持つことで、自身の心の小ささや重要性の低さに気づき、人助けを誘導する。

5:社会的地位と寛大さ
経済的物資、例えば所得が低いと、より寛大で、思いやりがあり、他人中心で考え、他人との関わりの必要性が強まると考える。

 他人を助ける傾向を減少させる要因とは?

1:社会的排他
あるグループやコミュニティから排他された経験が、孤独、傷心、自尊心の低下、生活への不満につながり、共感性を減少させる。

2:暗闇
暗闇が自身の匿名化、没個性化を促し、自己認識能力を妨げる。

3:期限付きの経済的価値観が台頭しているとき
職業上、やむを得ず権力を行使しなければならないとき。例えば、法律家、弁護士、会計士など。

まとめ

人は一人では生きていけない。現代社会は人間関係が希薄になっているが、この時代こそ他人を思いやる共感性、利他主義的考えが必要である。

誰かが助けるのを待つのではなく、自分ができることを向社会的行動に移すことで、その良い見返りがいつか知らないところで返ってきて、必要なときに助けられる側になれるだろう。

明日、電車に乗るのが、町へ行くのが楽しみになったのでは?

執筆日2019年6月8日 執筆者Yoshi
6月11日編集・校閲

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