[発達心理学]現代の子どもは成長が早い?そのメリットとデメリットとは?

現代の子どもは成長が早い? そのメリットとデメリットとは?
―子どもの成長と発達心理学―

 近年、子どもたちの精神的、身体的成長が早まっていると耳にしたことがないだろうか?日本では2022年4月より成人年齢の引き下げが定められた。18歳で成人を迎え、飲酒・喫煙、ギャンブルなどの心身の発達や健康状態に影響をきたす行為を除く、社会参入が促されるようになった。このように、子どもに対する社会の見方が変わる一方で、科学者たちは1900年代より思春期の平均年齢の変化に着目した。現代の思春期の始まり、女性・初経で平均12.5-13歳、男性・精通は平均で13歳あたりであると言われている。しかしながら、ある調査によると、1860年代から都市化、生活の安定化が次第に強まってくると、子どもたちの思春期の始まる年齢が引き下がってきたことが明らかとなった。

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 ではこの現象を何と呼ぶのか?

 発達加速現象 (The Secular Trend)。この現象はある世代にまたがり見られ、とりわけ身長や性的成熟に大きな影響と変化がみられる。これは一世紀ほど前より観察されてきた。
 一つの理由として、生活水準の向上が示唆されている。より健康的な栄養補給や運動を通し養育された子どもたちはより早く、より大きく成長する傾向があるとされる。これらはとりわけ、社会経済的地位 (SES)、環境有害物質、食生活、運動、思春期前の脂肪量、体重、そして慢性疾患やストレスを含む、遺伝的、身体的、感情的、社会的文脈上の影響により初経/精通の開始年齢に違いあるとされる。

 では、この成長の遅速が子どもにどのようなメリットやデメリットをもたらすのか?

・早熟の少年
一般的に、落ち着きがあり、自立心があり、自信がある。また、身体的に魅力があり、大人や同年代の仲間から注意を惹く。リーダーシップがあり、その地位につきやすい。運動ができる傾向があり注目される。自身より年上の仲間や友人を探す。

・晩熟の少年
一般的に不安症で、過剰にしゃべる。身体的に不利であるため、おしゃべり等で注意を引くことが得意。

・早熟の少女
精神年齢と身体の成長との不一致や大人からの見られ方など、感情的、社会的な困難に直面することが多い。学校で平均以下の人気度や集団からの離脱、自信の欠如、消極的リーダーシップが見られがちである。年上の友人を求める。

・晩熟の少女
身体的に魅力的、活発、社交的、リーダーになりやすい。

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 しかしながら、これらの成長の遅速は複雑な生物学的、即時的な社会的環境、文化的要因を強く含んでいる。
 予期しないタイミングで訪れた思春期によって、低い自尊心を持つようになってしまう。これは、身体面と精神面の不一致と、両方に平等に向けられるべき期待や諦めが不均衡である為であろう。また、多くの早熟の少年と晩熟の少女は頑固で、いささか大人とのつながりを必要としない。さらに、ストレスを抱えて成長した晩熟の少年と早熟の少女は、しばしばより自律的、柔軟、認知的に能力があり、人生の方向性に満足する傾向がある。

 このように、生活水準が向上、安定してきている現代社会の中で、より便利を求める風潮は否めない。便利になっていくことはより良い生活をサポートし、維持していくのに利点が多いが、その反面に現れる欠点にも注目していく必要がある。子どもの発育を健やかに促すために必要な栄養、運動と言った生活習慣の見直しは必要不可欠である。また、ソーシャルメディアに晒される機会の多い現代の子どもと、彼らに自尊感情の欠落の関係性と言った問題も提起されているため、健康な精神的成長のための親子間のコミュニケーションやルール作りが非常に重要である。人は遺伝要因以外に、環境要因によって自己形成をしていくため、決断力の低く、知識の浅い子どもを現代の社会的脅威 (SNS・食品添加物など)から大人が観察・保護・ケアする必要もまた増しているのである。

執筆日2019年6月9日 執筆者Yoshi
6月14日編集・校閲

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